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[仮想戦記]スカーレット・ストーム感想文(続き) [読書感想文]

 あれから2冊とも読み返したりして、色々と書き足りない事が出てきたので、続きを書きます。

 う~んとですね。今時の仮想戦記で、“仲違いしてた者達が、一緒に戦った後仲良くなる”とか“沈み行く艦と運命を共にしようとする艦長を、部下が涙ながらに説得する”みたいな場面を書く人ってほとんどと言って良い程いないんですよ(厳密には「自分の読んでいる範囲では」ですが)。これはおそらく、書く側も読む側も、個人レベルよりは戦術&戦略レベルでの面白い歴史改変話が好きだし、この手の泣かせる場面はストーリー的に入れるのが難しかったり色んな意味で恥ずかしい(笑)からじゃないかと思ってます。
 ところがスカーレット・ストームでは、そんなシーンが実に自然に入ってる上、読む側としてもすんなり読めちゃうんですよね。たぶんその理由は、これまで男同士のドラマだったのが男女になり、それも、それぞれの社会的な役割が急激に変化しつつある世界での人間関係として描かれているから。同じシチュエーションで交わされる会話でも意味合いが違い、それがスカーレット・ストーム世界の世界観描写にも繋がっているので、新鮮な上にストーリー上で欠く事の出来ない要素になってるからじゃないかと思います。
 意図的かどうかは判りませんが、実に巧い手法に見えます。見事としか言い様がありません。こんな、古き善き時代の戦争物の美味しい部分って、「古臭い」と思いつつも密かに好きだったりするから(笑)、上手な形で現代に書かれた小説に盛り込んでもらえるのは結構嬉しいです。

(この話、まだ続きます)


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